五十肩(肩関節周囲炎)

五十肩(正式名称:肩関節周囲炎)は、肩の関節や周辺の筋肉、靭帯に炎症が起きることによって、痛みや可動域の制限が生じる疾患です。
この名称は、主に40代後半から50代以降に発症することが多いため名付けられました。
ただし、実際には30代や60代以上にも見られることがあります。

五十肩は日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があり、腕を上げる、後ろに回すといった基本的な動作が困難になることも少なくありません。
急性期には激しい痛みを伴う一方で、慢性期には肩のこわばりや可動域の低下が問題となります。

日本における五十肩の
 一般的な認識や統計


日本において五十肩は、比較的一般的な加齢に伴う疾患と認識されています。

以下は主な特徴です。

①発症頻度: 日本における成人の約10〜20%が五十肩を経験すると言われています。

②男女差: 男女ともに発症しますが、女性に若干多い傾向があると報告されています。特に女性は更年期のホルモンバランスの変化が影響する可能性が指摘されています。


③治療へのアプローチ: 自然治癒が期待される一方で、病院でのリハビリ治療や物理療法を受ける方も増加しています。リモートワークや運動不足が関連して、近年では若年層の患者も増えているとのデータもあります。

五十肩は加齢の一環として認識されがちですが、実際には予防や早期治療によって生活の質を保つことが可能です。

次は、五十肩の原因と進行段階について掘り下げていきます。

五十肩の原因とは?


年齢に伴う関節や筋の変化や怪我、日常的な体の使い方の影響が大きく影響することが多いです。
五十肩の原因は複数あり、それぞれが肩の動きや健康に影響を及ぼします。
また、様々なライフスタイルが影響を及ぼしますので、生活スタイルも原因と考えられています。

主な要因を以下に詳しく説明します。

1. 年齢に伴う関節や筋の変化

加齢によって肩関節周囲の軟部組織(腱、靭帯、筋肉など)が弱化しやすくなります。
肩関節の滑液包(バース)と呼ばれる潤滑機能を持つ部位に炎症が生じることで、痛みと可動域の制限が発生します。
加齢に伴い、回旋筋腱板(ローテーターカフ)の摩耗や石灰沈着が進み、炎症のリスクが高まります。
筋力低下や血流の減少も影響し、回復が遅くなるケースも少なくありません。

2. 怪我や日常的な体の使い方の影響

スポーツや運動中の肩の使い過ぎが回旋筋腱板や関節に過剰な負担をかけることで、炎症や痛みを引き起こします。
重い荷物を繰り返し持ち上げる動作や、不適切な姿勢での作業も、肩の組織にストレスを与える要因となります。
肩関節の可動域を超える無理な動作(例:急に腕を振り上げる、後ろ手で物を取るなど)は、炎症を誘発する可能性があります。
軽度の外傷がそのまま慢性的な痛みへと進行する場合もあります。

五十肩の発症には、年齢的な体の変化に加え、日常生活の動作が大きく影響していることが分かります。
次は、これらの原因が引き起こす具体的な症状について掘り下げていきましょう。

五十肩の症状:段階別の進行と特徴


①初期段階:違和感の始まり
五十肩の初期段階では、肩に軽い違和感や不快感が現れることがあります。
特に、日常的な動作(腕を上げる、物を持ち上げるなど)で微妙な痛みを感じたり、動かしづらさを感じることが増えてきます。
これらの症状は徐々に進行することが多く、この段階で早期に対応すると重症化を防ぐ可能性があります。


②中期段階:痛みと可動域の制限
中期段階に入ると、肩の痛みが明確に強くなり、日常生活に支障をきたすことが多くなります。

主な特徴は以下の通りです。

・夜間の痛みが顕著になることがあり、睡眠の質が低下します。
・肩の可動域が制限され、腕を上げる、背中に回すといった動作が難しくなります。
・炎症や筋肉の硬直が進み、肩の「こわばり」を感じることがあります。
・この段階では、医療機関での治療やリハビリが推奨されることが多いです。


③後期段階:回復に向かうプロセス
五十肩の最終段階では、痛みが徐々に軽減し、肩の動きが回復に向かいます。

ここまで症状の改善には数ヶ月から1年以上かかる場合が多いです。
完全な回復が見込めるケースも多いですが、肩の可動域が以前ほど完全には戻らないことも多々あります。
この段階で、引き続きストレッチや運動療法を行うことで、再発を防ぎ、肩の機能を最大限まで取り戻すことが可能です。
五十肩は自然治癒する疾患とも言われますが、段階ごとの適切な対処が生活の質を守る鍵となります。
自然治癒することが多いしっかんである故、そのまま放置してしまう方が多いのも事実です。
その影響で。再発することも少なくなく、多いケースでは痛めていた肩の反対側の肩を痛めるパターンです。

次に、治療法や予防について詳しく解説していきます。


五十肩の治療法


1. 自然治癒のプロセスとその限界
五十肩は多くの場合、時間の経過とともに自然治癒する疾患とされています。
個人差はありますが、通常、1〜3年の期間で痛みや可動域の制限が改善していきます。

しかし、自然治癒には限界があり、以下のようなケースが問題となることがあります。

①痛みや不快感が長期間続き、日常生活に大きな影響を与える。
②治癒後も肩の可動域が完全には回復しない。
③放置することで、筋力の低下や他の部位への負担が増える。
④このため、早期の介入や適切な治療が望ましいです。

2. リハビリ治療

五十肩の治療では、リハビリが効果的です。
リハビリ治療では以下の方法が主に行われます。

①可動域を広げる運動療法: 肩の柔軟性を取り戻すための運動を行います。
②温熱療法: 温めることで血行を促進し、筋肉の硬直を緩和します。
③筋力トレーニング: 筋力を強化することで、肩への負担を軽減します。
④リハビリは、自然治癒を補助し、治癒までの時間を短縮するのに役立ちます。


3. 薬物療法や注射治療の選択肢

痛みが強い場合や炎症が激しい場合には、薬物療法や注射治療も選択肢となります。

鎮痛薬や抗炎症薬: 内服薬や外用薬を用いて症状を和らげます。

①ステロイド注射: 炎症を直接抑えるために、肩関節や滑液包に注射を行うことがあります。
②ヒアルロン酸注射: 関節の動きを滑らかにする目的で使用されることがあります。

これらの治療法は一時的な症状の軽減を目指すものであり、長期的な改善のためには他の治療と併用することが重要です。

4. 物理療法やストレッチの重要性

五十肩の回復や予防には、物理療法やストレッチが欠かせません。

①ストレッチ: 日常的に肩関節の柔軟性を高めるための動作を取り入れることが重要です。
②マッサージ: 血行を良くし、筋肉の緊張をほぐします。
③日常生活での注意: 長時間の同じ姿勢や不自然な動作を避ける工夫も必要です。

物理療法は治療期間を短縮し、再発リスクを低下させる効果があります。
これらの治療法を組み合わせることで、五十肩の回復を効率的に進めることができます。

予防方法 毎日のストレッチや軽い運動の効果。 正しい姿勢を保つことの重要性。 生活習慣の見直し。


五十肩の予防方法


1. 毎日のストレッチや軽い運動の効果

①ストレッチ: 肩関節の柔軟性を保つために腕を軽く回したり、肩を前後に伸ばす動作を日課にしましょう。特に肩甲骨周辺のストレッチは効果的です。ただ、痛みの強さや痛みが出る動きは人それぞれなので、無理はせず、必要によっては専門家への相談もお勧めします。

②軽い運動: ウォーキングやヨガなどの全身運動は血流を促進し、肩の動きを改善します。また、適度な筋力を維持することは、関節への負担を軽減する助けになります。ただ、無理のない範囲で。

定期的に肩を動かすことで、関節が硬くなるのを防ぎ、五十肩の発症リスクを低下させます。
ただし、痛みを我慢して行うと悪化してしまう恐れもあるので、強度には注意してください。


2. 正しい姿勢を保つことの重要性

①姿勢の意識: 長時間デスクワークやスマホを使用する際は背筋を伸ばし、肩が丸まらないように意識しましょう。首を下に向け続けるのもネガティブ要素になります。悪い姿勢は肩周辺の筋肉や関節に負担をかけます。

③姿勢改善グッズ: クッションや姿勢矯正用ベルトを活用することで、正しい姿勢を維持しやすくなります。 ただ、ベルトに頼り過ぎると筋力が著しく低下し、ベルトなしでは支えられない身体になってしまいますので、注意が必要です。

正しい姿勢を保つことは、肩の筋肉や関節を適切に使い、余計なストレスを避ける鍵となります。


3. 生活習慣の見直し

①運動不足の解消: 日常生活に軽い運動を取り入れることで、肩周辺の血流や筋力を改善します。

②睡眠の質の向上: 十分な休息は、筋肉の回復を促し、慢性的な炎症を防ぎます。

③食事: バランスの良い食事を心がけ、抗炎症作用のある食品(魚、ナッツ、緑黄色野菜など)を摂取することが推奨されます。

生活習慣を改善することで、五十肩の予防はもちろん、全身の健康を維持することにも繋がります。

毎日の取り組みが五十肩の予防に大きく貢献します。
特にストレッチや姿勢改善は簡単に始められるので、ぜひ日常生活に取り入れてみてくださいね!
柔軟性も筋肉量も日々の積み重ねです。
五十肩で炎症を起こして痛めてしまうのも、ライフスタイルの積み重ねです。

まとめ :病気への理解と
 予防の重要性を再確認。


①五十肩への理解と予防の重要性

五十肩は、加齢や生活習慣の影響で誰にでも起こり得る疾患です。
しかし、その原因や症状を正しく理解し、適切に対応することで、生活の質を大幅に改善することができます。

早期の認識と対応が鍵 初期段階での違和感を見逃さず、適切な治療やリハビリを受けることで、症状の進行を防ぐことが可能です。

予防の取り組み 日々のストレッチや軽い運動、正しい姿勢の維持、そして生活習慣の見直しが、五十肩の発症を抑えるための効果的な方法です。

病気への意識改革 五十肩は単なる加齢の一部ではありません。
治療や予防に真剣に向き合うことで、痛みや不便から解放され、より充実した生活を送ることができます。

五十肩の克服や予防は、一人ひとりの積極的な取り組みにかかっています。肩の健康を大切にし、日常生活を快適に過ごすための第一歩をぜひ踏み出しましょう!


Training&Medical
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山川 直人

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